賃貸について
賃貸経営を行う場合、入居者が決まりさえすれば退去するまで何も行わなくても良いという訳ではありません。
不動産賃貸経営には様々な業務があり、それを怠ると予期せぬトラブルに発展することもあるので注意しましょう。
※物件管理を管理会社に依頼している場合、下記で紹介している事柄は一般的に管理会社が行ってくれる事が多いでしょう。(契約内容により異なります)
賃料管理
毎月入居者から家賃が振り込まれるので、振込みはきちんと行われているかチェックして、もし滞納があった場合には早急に対応しなければなりません。
日々の建物管理
共用部分の掃除・メンテナンス・ 建物の外回り・エントランス・ 廊下などの掃除。共用部分の電球交換・破損箇所の修理など
契約違反に対応
契約時においての入居人数の増加など複数で入居している事や又貸など、契約違反をする入居者に遭遇する事は少なからずあるようです。個人の問題ならまだ良いですが、 他の入居者にも迷惑がかかるケースも考えられますので早急な対応が求められます。
クレーム対応
入居者が原因で起きた配水管のつまりなどのトラブルでも大家さんに文句を言ってくるケースもありますし、入居者同士のトラブルでもオーナーにクレームがくる事はあります。
そのような時は出来るだけ早く対応することです。電気・ガス・水道・建物などでトラブルが起こった場合、早急に対応してくれる各業者さんを見つけておきましょう。
入居者同士のトラブルは不動産会社が対応してくれるかどうかは契約内容などにより変わってきます。
空室対応
入居者から退去するとの連絡を受けた時は、各不動産会社に伝え入居者を募集してもらうようにします。
また空室が目立つ・入居者が決まらない場合も不動産会社などに相談して対応策を検討しなければなりません。
退去時
退去の立会いや敷金精算など、トラブルになりやすい業務ですので細心の注意をはらい正確かつスピーディーに行います。
共用部分を綺麗にするか・しないかで物件の美観・重み・価値が変わってくると言っても過言ではありません。エントランス・建物周辺・ゴミ置き場・駐輪場・階段・廊下などは出来る限りまめに掃除をした方が良いでしょう。
また廊下などの電球が切れているか・破損している箇所があるかなど備品のチェックも同様に行いましょう。上記のように日々の建物のメンテナンスもきれいに維持するには不可欠ですが、その建物に実際住んでいる入居者の人柄・意識の持ちようでも変わってきます。
いくらオーナーさんが共用部分などをきれいにしていても入居者が何とも思っていなければ維持するにも限界があり、お部屋の使い方も知れているでしょう。建物を長く維持する為には入居時の審査が重要なポイントになるのです。
また入居の際ゴミの出し方に関しても徹底する事が必要です。不動産会社に説明してもらう事も良い方法だと思いますし、エントランス部分に張り紙をしたり各部屋にチラシを配ることでも効果はあると思います。日々の清掃を怠ると、物件はあったという間に価値が下がってしまします。
また物件価値が下がると入居者の減少につながり、次の入居者が決まりにくくなる事も考えられます。建物を長くきれいに保つ事は入居者の確保の為にも必要不可欠といえるでしょう
入居者の契約違反!!どんな違反があるか
滞納理由としてあげられるもの
入居人数オーバー
通常、賃貸借契約においては、入居者の氏名・入居人数を設定し契約すると思いますが、 場合によりファミリータイプの物件においては子供の出産・祖父母などの同居等が起きると想定されます。厳密に言うとその件を借主から報告がないのは契約違反になりますが、だからといって強制的に契約の解除と進められる訳ではないと考えられます。もしそのようなことに気付いた場合には契約者にお聞きしてみましょう。
因みに、一般的には出産などにおいて入居人数の増加にともない理解を示すのは、通常の貸主の考えでしょう。単身タイプの賃貸物件に関して同棲などは生活習慣など様々な問題が発生すると考えられますので、承認しない貸主さんが多いでしょう。
貸主の承諾を得ずに第三者に転貸することを言います。 民法第612条では、借主が貸主に無断で転貸することを禁止しており、転貸をするには貸主の承諾が必要である事が定められている為、無断で転貸した場合に「信頼関係を破壊された」とみなされれば契約解除をする事も可能です。ただ入居者の中には全く悪気もなく転貸しているケースもあるようですので、まずは現状を詳しくお聞きした上で契約違反の旨をしっかりお伝えした方が良いでしょう。
使用目的を居住用に制限しているにもかかわらず、事務所・店舗・営業所などとして使用することは、使用目的違反となります。
使用目的の変更要望を借主から受けた場合には許可する・しない どちらの場合にも即答は控え、人の出入りがどの位か・他の入居者に どの位迷惑がかかるか等を1つの判断基準して考え答えを出される事が 望ましいでしょう。また許可する場合にも保証金や家賃は据置きで良いのかなども考える事が必要です。
光ケーブルを引く場合など壁に穴を開ける事などの場合には事前に連絡をしてもらい、退去する際に改造部分をどうするのかを決めておいた方が良いでしょう。連絡もなしに壁に穴などを開けた場合などは契約違反になりますが、現実的にはケーブルを引く程度の穴の場合、契約自体を解除する事は難しいかもしれません。
また造作・模様替えに関しては「造作物買取請求権」が発生する場合もありますので、契約書の条文を含め、注意を図らないとなりません。
『近隣・騒音問題』といっても多種多様で、法律や規制によって解決する、というものではなく、個人のモラル・感受性・判断・意思その他色々なものが合わさらないと解決することが難しく、非常に悩ましい大きな社会問題のようです。
以前は、新しく引越しをする際に「向こう3軒両隣」へのご挨拶というのが常識と言われて来ましたが、現代の都心部においては近隣の方に挨拶を交わすことも殆どなく、隣にどんな人が住んでいるのかもわからない、顔も見たことがない方が増えてきています。そのようなケースが増えてきたことも昨今のトラブルの根源の一つかもしれません。
近隣・騒音問題というのは賃貸住宅に関係なく分譲マンション又は一戸建て住宅でも同じ状況がおきています。首都圏・関西などの大都市では特に住宅密集の為、至る所で頻繁に問題になる事が多く、又最近では都市に限らず人口の少ない地域でも起きているのが現状です。
防音対策は重要なポイントでしょう。建築会社に依頼する際に、防音対策強化の依頼は 忘れてはならないポイントの一つだと思います。多くの建築会社さんは「賃貸用だから…」 という考えのもと、構造上も踏まえて注意を図っていないのが現状と言っても仕方がない 現状です。天井・床・壁・防音の為の工夫をする事をオススメします。
昨今入居者を決める際に大家さんや管理会社で契約時に行なう入居審査が重要になって きております。ただ書類審査だけで人間性まで判断するのは難しいと思われますので 管理会社さんにどういう雰囲気の人か把握していただき共同住宅における生活トラブルが 起きないとの判断に関しては不動産会社との意思の疎通が必要でしょう。
共同部分、駐車場の仕様については事前に使用上の注意・規約などを きちんと設定し説明することも重要でしょう。
様々な性格・考え方などを持った人が同じ建物に住んでいます。それぞれ音などに対して 感じ方・考え方も違いますので、入居者から騒音・近隣問題などで相談を受けた際には、 一方の入居者の話だけでなく、双方のお話を聞き対処法を考えた方が良いでしょう。
ペットが原因で起こるトラブルも、駐車・駐輪・ゴミ出し時のトラブルなどと同様に近隣問題の要因になっています。その為、鳴声や臭気による他の入居者への迷惑防止や退去後のメンテナンスに費用がかかる事(敷金問題)などを考慮してペットを禁止にする大家さんが多いようです。
「ペット」といっても、金魚や熱帯魚のように他の入居者への問題が生じる可能性が低いペットや(大型水槽による湿気や水槽破損などの場合は別)、犬や猫といったペットのように鳴声だけでなく動物特有の臭気などで問題が生じる可能性のあるペットなどがいます。
また鳥類などは鳴声が無ければ問題が無いように思われがちですが、羽毛や糞などでアレルギー症状など起こす可能性もあります。
しつけが十分されていれば問題が生じない事も考えられますが、大家さんが入居者のペットがしつけをされているかどうかを見極めるのは現実的に難しいものがあり、 言葉を信じて入居させたはいいが、結局近隣からのクレームや敷金問題につながるケースも無いとは言えないでしょう。