居住用財産の3,000万円特別控除の特例
住み替えで不動産を売るとき、買ったときの価格よりも高く売れた場合は譲渡所得税を納めなければなりません。けれども、売却するのがマイホームの場合は、特例で最高3,000万円までの特別控除が認められるので、譲渡所得税が軽減されます。
譲渡所得=マイホームが売れた額-(取得費+譲渡費用)-最大3,000万円
- ▼適用要件
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- 自分が実際に住んでいたマイホームであること(別荘は対象外)
- マイホームに住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
- 売る相手との関係が、親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと
- マイホームを売った年の前年、前々年に他の特例を受けていないこと
- マイホームを売った年の前年、前々年に、住宅ローン控除を受けていない
など
- ▼併用できる特別控除
- 3,000万円特別控除の特例は、次に紹介する軽減税率の特例と一緒に受けることが可能です。
- ▼控除の申告について
- 手続きは、確定申告にて行います。
詳しくは、国税庁ホームページ等をご参照ください。
住み替えの際、これまで住んでいたマイホームを売却した年の1月1日の時点で、所有期間が10年を超える場合は、一定の要件に当てはまれば、税率が軽減されます。
- ▼軽減される税率
- 軽減税率の特例を利用しない場合は、所有期間5年超の場合(長期譲渡所得)は20%(所得税15%+住民税5%)の税率です。けれども、この特例を利用すると下記のように税率が軽減されます。
課税譲渡所得 |
税額 |
6,000万円以下の部分 |
14%(所得税10%+住民税4%) |
6,000万円超の部分 |
20%(所得税15%+住民税5%) |
※2037年(平成49年)までは、所得税の税率に復興特別所得税(所得税の2.1%)が上乗せされます。
- ▼適用要件
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- マイホーム(建物および建物&土地)を売却すること
- マイホームに住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
- マイホームを売却した年の1月1日の時点で所有期間が10年を超えていること
- 売る相手との関係が、親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと
- マイホームを売った年の前年、前々年にこの特例やマイホームの買い換え・交換の特例など他の特例を受けていないこと
など
- ▼併用できる特別控除
- 軽減税率の特例は、前に紹介した3,000万円の特別控除と一緒に受けることが可能です。
- ▼控除の申告について
- 手続きは、確定申告にて行います。
詳しくは、国税庁ホームページ等をご参照ください。
住み替えで、住宅ローンを利用して新居を購入、または新築・増築・改築工事を行った場合、一定の要件を満たせば、入居した年から10年間は所得税の還付、控除を受けることができます。
内容については、以下の通りです。

※「特定増改築等限度額」とは、一定のバリアフリーリフォーム・省エネリフォームに係る工事費用から補助金等を控除した金額に相当する住宅ローン等の額のこと
▼主な適用要件
- <新築住宅の場合>
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- 住宅取得日から6カ月以内に入居し居住し続けること
- 控除を受ける年の合計所得額が3,000万円以下であること
- ローンの返済期間が10年以上あること
- 登記簿に記載されている床面積が50平方メートル以上であること
- 床面積の2分の1以上が居住用であること
- 入居した年とその前後2年以内に、譲渡所得の特例を受けていないこと
- <中古住宅の場合>
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- 新築住宅の要件を満たすこと
- 建築後20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)であること
- 一定の耐震基準をクリアしていること
- 生計を1つにした親族からの購入でないこと
- 贈与された家でないこと
- <リフォームの場合>
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- 新築住宅の要件を満たすこと
- 自分で所有し、居住している住宅のリフォームであること
- 一定の「省エネリフォーム」「バリアフリーリフォーム」「耐震リフォーム」、または大規模な間取りの変更や修繕であること
- 工事費用が100万円を超えていること
- 店舗併用住宅の場合、リフォーム費用の2分の1以上は居住部分のものであること
また、所得税から控除しきれなかった場合は、翌年度の個人住民税から控除されます。(※住民税の控除限度額:13.65万円)
住民税の住宅ローン控除額
=所得税における住宅ローン控除可能額-住宅ローン控除適用前の前年の所得税額
- ▼控除の申告について
- 手続きは、確定申告にて行います。
詳しくは、国税庁ホームページ等をご参照ください。
すまい給付金制度は、消費税の引き上げにより増えている消費者の負担を軽減するため、住宅ローン減税だけでは減税効果を得られない中低所得者に向けて、最大30万円を給付する制度です。消費税が10%になった際には、給付額が最大50万円まで引き上げられる予定です。住み替えで新居を購入・新築する際、要件が該当する場合は利用するとよいでしょう。
※給付額は収入によって異なります。
※個人間での売買など、消費税がかからない取引の場合は対象外となります。
- ▼実施期間
- 2014年(平成26年)4月から2019年(平成31年)6月まで
- ▼主な要件
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- 住宅の所有者、あるいは、不動産登記上の持ち分所有者
- 住宅に住んでいる者
- 収入が一定以下の者(収入の目安:消費税8%の場合510万円以下、消費税10%の場合775万円※以下)
- 住宅ローンを利用しない場合は、年齢が50才以上の者
※消費税が10%になった際には、収入の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加となる予定です。
- ▼住宅の要件
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- 床面積が50平方メートル以上であること
- 第三者機関の検査を受けた住宅であること
など
- ▼手続きについて
- 手続きは、住宅の引き渡しを受けてから1年(※)以内に、すまい給付金事務局へ必要書類を郵送、もしくは申請窓口へ持参します。
詳しくは、国土交通省「すまい給付金」のホームページを参照してください。
上記以外にも、住み替え時に利用できる制度がありますので、該当する場合は利用しましょう。(※詳細は、国税庁のホームページをご参照ください)
登録免許税の軽減
マイホームの新築、取得した場合の1)所有権の保存登記、2)所有権の移転登記、3)抵当権の設定登記にかかる登録免許税が軽減されます。
※2017年(平成29年)3月31日までの登記申請が該当。
不動産取得税の軽減措置
土地や家屋を購入、交換、贈与で取得、あるいは、家屋を新築・増築・改築した場合に課税される不動産取得税が軽減されます。
※2018年(平成30年)3月31日までの引き渡しが該当。
印紙税の特例
印紙税は、不動産売買契約書などを交わす際、貼付する収入印紙により納めるものですが、期間内に作成された不動産売買契約書のうち、契約金額が10万円を超えるものは、印紙税が軽減されます。
※2018年(平成30年)3月31日までに作成する契約書が該当