売却について
初めての一戸建て売却。事前に何をやってくべきなのでしょうか?
ポイントは、現在の家の状態を確認するとともに、買う側の立場になって物件の特徴をチェックすること。
中古の一戸建てを売却する際は、まず家の状態を客観的にチェックしておきます。室内はもちろん、長年住んでいるうちに雨漏りやシロアリ被害などの劣化はないかなど、屋内外を確認しておきましょう。
売買契約時には「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」があり、通常では気づかない欠陥や不具合が売却後に見つかったら、売主がその補修費用等と負担することになります。不動産会社によっては、もしものときの補修費用をまかなう瑕疵保証サービスを取り扱っているところもありますが、後で慌てないよう事前にチェックしておくと安心です。劣化や構造について心配であれば、売る前に建物調査や耐震診断を専門の会社に依頼するという方法もあります。
住んでいる間に補修やリフォームした部分があれば書き出しておきます。築年数や家の状態によっては、リフォームしてから売ったほうがいい場合、反対に更地にして売却したほうがいいこともありますので、不動産会社に相談してから決めましょう。
一戸建てを売る場合、敷地の境界をはっきりさせておく必要があります。隣地との境目に境界標が設置してあるか、エアコンの室外機や雨樋が隣家に越境していないかどうかも見ておきたいものです。また、ご近所との関係を不動産会社に伝えておいたほうがいい場合も。そのほか売るために必要な書類として、権利書や間取り図、固定資産税納付書などを揃えておきます。
売却物件がどれくらいの金額なのかを調べておきます。
駅からの距離、学校や病院、公園までの距離など周辺環境を整理して、住むうえでの魅力を書き出しておきます。最寄駅が特急や急行が停車するといった点もプラスの情報です。駅や施設から距離がある場合は、バス便への接続がスムーズ、緑が多く公園が近い、夜遅くまで営業しているスーパーが徒歩圏にある、地域で小学生の登下校を見守る体制ができているなど、生活するうえでのメリットをピックアップします。
また、一戸建ての場合は外観も大きなポイントです。屋根や外壁を定期的にメンテナンスしてきたかどうかは、外観を見れば分かります。外壁の塗り替えをした時期など、メンテナンスの記録も用意しておきましょう。
たくさん不動産会社はありますが、一戸建ての売却を得意としていたり、地域情報に精通したりする、販売実績のあるところを選びましょう。大手は幅広いネットワークが特徴で、中小の会社は地域密着で集まる情報も異なるものです。また、営業担当者との相性も重要なポイント。売主の話をしっかりと聞き、誠意をもって対応してくれる会社を選びたいものです。
一戸建てが売り出されると、購入を検討している人の内覧があります。見学で気に入ってもらい、できるだけ好条件で買ってもらうためにも、物件を一番いい状態で見せるよう工夫したいものです。
築年数にかかわらず、整理整頓されてきれいに住んでいる家は評価が高いといえます。
長年住んでいる場合、どうしても汚れが気になるところも出てきます。必要であれば、ハウスクリーニングをプロに依頼するというのも一案。
どんな人が住んでいたか、というのも買い手にとっては気になるところです。笑顔で出迎えるとともに、質問にはきっちり答えましょう。注文住宅で建てた場合は、間取りのこだわりについても伝えておきます。また、近くの買物施設や病院、金融機関の場所など、暮らしに必要な地域情報を話したり、メモにして渡したりするのも好印象です。見学者が子ども連れの場合は、学校までの距離や通学路についても話しておきましょう。
家族全員で出迎える、というよりは、少人数で待機するほうがゆっくり部屋内を見てもらえるようです。押入れや納戸を見せてほしいと言われる場合もあるので、家全体を見学者目線で整えてみることをおすすめします。