サブリース
サブリースは、不動産会社が家賃の滞納や空室・顧客のクレームなど、賃貸経営のリスクを一切肩代わりしてくれます。賃貸物件のオーナーにとっては一見メリットが大きいように思えますが、実際は家賃下落や空き室などが進行している場合もあります。ここでは、サブリースのありがちなデメリットをまとめてみました。
サブリースとは、オーナーが所有している賃貸物件を不動産業者に一括借り上げしてもらい、賃貸経営をしてもらう制度です。契約後は、空き室に関係なく一定金額の家賃がオーナーに支払われます。入居者とサブリース会社との間で賃貸契約が結ばれるので、運用に自信がない人でも挑戦しやすいことで注目されています。また、仮に賃貸物件と離れた場所に住んでいても、サブリースを活用すれば、賃貸経営ができるというメリットもあります。
サブリースでは、長期で一括借り上げをする業者がほとんどです。長い期間に渡って運用してもらえると安心感を持つ人もいますが、実はこの長期借り上げに関するトラブルが多く、サブリースのデメリットとして取り上げられています。ほとんどの業者で2年に1度家賃の見直しが行われ、更新ごとに家賃が引き下げられる可能性が高くなります。家賃保証がサブリースのメリットと安心していても、10年・20年経過するごとに建物の老朽化も進み家賃相場も低くなります。このことから考えても、新築と同じ家賃保証が行われるわけではないのです。
サブリースでは、不動産会社と入居者が賃貸契約を結ぶことは上述しましたが、業者が経営不振で倒産してしまうとオーナーはもちろん入居者も困ることになります。倒産による契約の解除では、オーナーに賃貸契約が引き継がれるのが普通です。ここで問題になるのは、家賃の回収や入居者から預かった敷金が上手く回収できなくなるということです。不動産会社からの入金が遅れることがある時は注意が必要で、実際に家賃を払えないほど経営が悪化して倒産するケースもあります。
サブリースは便利な反面、管理会社選びが難しいと言われています。それは、サブリースを取り扱う管理会社の中に、悪質な業者も存在しているからです。このようなことを書くとサブリースは怖いと考える人もいますが、忙しい投資家ほど日常的に空き室保障や管理委託など、外部委託を使った賃貸経営を行っているので、運営の範囲が全体に及ぶサブリースだから悪いというわけでもありません。契約の内容をしっかりと考慮すると共に、信頼できる業者選びが重要です。
賃貸経営を成功させるポイントは、パートナー選びにかかっています。大手不動産だから良いとか小さいから心配というのではなく、一番大切なのは賃貸経営に対してオーナーと一緒に真剣に取り組んでくれるかどうかです。