サブリース
“ほとんどの大家はアパートローンを組み、家賃収入を返済に回しています。ですから長い間空室になると、返済に首が回らなくなる可能性があります。この不安を補うのがサブリースで、不動産会社などに又貸しすることによって、家賃保証してもらうという仕組みです。
今回は、サブリースのメリットや注意点などをご紹介します。”
“サブリースを利用すると、家賃の滞納者がいても管理会社が保証して支払ってくれるというのが、大きなメリットです。さらに空室であっても関係なく家賃を得られます。アパートローンの返済に不安を覚えることがなくなるでしょう。
それから、住人のトラブルへの対応もしなくて良いため、精神的に楽です。加えて建物のメンテナンスにも気遣う必要がなく、確定申告の際に住戸ごとの入居者名や賃料などを収支内訳書に記入する作業を省略できます。”
“サブリースの家賃保証は、賃料の85~90%が一般的です。なお、礼金や更新料は管理会社が取得します。
例えば、1部屋10万円の家賃で10部屋ある収益物件の場合、満室時の家賃収入は月100万円となります。サブリースで家賃保証90%の契約では、大家に毎月90万円が安定して入ってくるということです。
サブリースでは入居者と契約を結ぶのは大家ではなく管理会社のため、空室があっても家賃を滞納している入居者がいても、90万円は管理会社から大家へ確実に振り込まれます。”
“サブリースにおける委託手数料は、賃料の10~15%としている管理会社が多いです。1部屋10万円の家賃で10部屋ある収益物件の大家が委託手数料10%の管理会社と契約した場合、毎月10万円を支払うということになります。
この手数料が高いと感じるどうかは、入居者への対応を苦に思うか思わないかの差によるでしょう。クレームに対して迅速丁寧に応じられる、家賃滞納している入居者への督促なども問題なく行える、という人は高く感じるかもしれません。”
“サブリースの契約に「保証する家賃は周辺相場の変動に合わせて変えられる」という内容があれば、数年後に家賃が引き下げられる可能性があります。建物が古くなれば家賃の相場が落ちていくのは自然な流れです。建物の修繕は大家がしなければいけないため、家賃減額の可能性と修繕費用のバランスを良く考えて契約するといいでしょう。
また、サブリースでは免責期間が付いていることがあります。これは部屋が空室になって次の入居者が決まるまでの保護期間のようなもので、この間は大家にも家賃が入ってきません。免責期間があって家賃保証と言うのは矛盾ではないか、とトラブルが起こることがあるため、この点も注意したいところです。”
サブリースは家賃保証のある管理委託の契約ですが、免責期間があったり家賃引き下げの可能性があったりするため、契約前に内容を十分確認することが大切です。サブリースは、家賃を保証する保険ではないことを理解しておいてください。