相続について
大家にとって最も怖いのは「空室」が発生することでしょう。空室が発生するとその期間は家賃収入が無いので、住宅ローンの返済などがある場合、自分のお財布から持ち出しをすることになります。そんな空室リスクを軽減してくれるのが「サブリース」です。
サブリースの仕組みを簡単に言うと、「保有する物件を不動産会社に貸し、不動産会社はその物件を入居者に貸す」ことを言います。契約相手は不動産会社なので、仮に入居者が見つからずに空室が発生したとしても、不動産会社から家賃を受け取ることができ、空室リスクから開放されます。不動産会社は空率リスクを織り込んだ家賃を入居者に請求します。従って、入居者が支払う家賃は、受け取る家賃よりも高い、ということになります。
大家が儲かるには家賃収入が各種コストを上回る必要があります。家賃収入が安定的に入ってくることが大前提となり、これを担保する仕組みがサブリースと言えます。各種コストとして考えなくてはならないのは、物件の修繕管理費、毎月のローン返済額(ローンで物件購入の場合)、固定資産税・都市計画税、エアコン等が壊れてしまった場合の修理費用です。家賃収入がこれらのコストの合計よりも大きければ、大家として儲かることになります。
不動産会社は、空率リスクを織り込んだ家賃を入居者に請求するだけでは、空室リスクを十分に軽減することができません。そこで、不動産会社はサブリース契約をする際に「保証料」などの名目で、サブリース代を徴収します。この保証料の金額は不動産会社によって違いはありますが、相場水準だと、家賃収入の1割程度となります。例えば、不動産会社に10万円で物件を貸す場合、1割の保証料が差し引かれ、実際の収入は9万円となります。従って、サブリースの仕組みを利用する場合には注意が必要です。
サブリースの最大のメリットは何と言っても「安定した家賃収入」です。空率リスクを心配することなく収入が得られる仕組みは、特にこれから大家として収益をあげたいと考えている方や経験が浅い方には有効です。一方で、サブリース契約は物件が古くなるに従って「保証料」が高くなる仕組みとなっています。これは一般的に、入居者がより新しい物件を好むことから、物件が古くなるに従って空室リスクが高まるからです。サブリース契約を結ぶ時には、物件が古くなっても必要以上に保証料が跳ね上がらない契約を結ぶことが大切です。
大家初心者であれば、サブリースの仕組みを活用することをお勧めします。まずは安定した家賃収入を確保した上で、コスト管理の方法や経費計上の方法などを学びながら、大家としての習熟度を上げていきましょう。そして、大家として自信がついてきたらサブリース契約を外して、自ら物件や入居者管理までを行うと良いでしょう。まずは、サブリースの仕組みを活用して大家としての一歩を踏み出してみてください。