サブリース
安定した家賃収入が得られるサブリースは魅力的なシステムですが、管理会社の選定を誤ると、思い通りの収益を得られなかったり、思わぬトラブルに遭遇したりする可能性があります。そこで、良い管理会社を選ぶコツについて説明します。
まず、サブリースの実績を重ねている会社を選びましょう。多くのサブリースを手掛けてきた会社であれば、周辺の空室率の変動状況や、賃料相場の動向など、事業計画の前提になる情報を既に保有しており、追加調査をすることも容易でしょう。これによって収支予測の精度も上がり、安心できる賃貸経営につながります。
また、サブリースにおいては、入居者募集や物件管理・メンテナンスのノウハウも重要です。賃貸市場の動向に合わせた募集方法や条件の変更、また物件価値を維持する有効な管理方法などは、やはり実績を積んだ管理会社にアドバンテージがあると言えるでしょう。
また、サブリース契約においては、管理会社の提示する契約内容を細かく確認することも非常に大切です。
収益に直接直結する家賃保証率はもちろんのこと、管理会社とオーナーの管理費用負担の分担がどのようになっているのかも最重要なポイントです。ここでは、単純に相場と見比べた有利・不利だけで判断するのではなく、その差が何によって生じているのか詳細な説明を受けることが必要です。例えば、物件の修繕費はオーナーの負担となることが通常ですが、退去時のクリーニングについては管理会社が負担する契約もあり、これらが家賃保証率などに影響している場合もあるからです。
さらに、管理会社を選ぶ際に重要なことはその会社の経営状態です。もちろん、経営破たんなどが起きれば深刻なダメージをオーナーも負ってしまう可能性がありますが、そこまででなくても経営が悪化することによって、サブリースに大きな影響が及ぶ場合があります。例えば、後に述べるように、管理会社の方から保証していた賃料の減額を要求されてしまう場合や、管理会社が行うべき管理の費用削減によって物件管理がおろそかになり、ひいては物件価値を毀損してしまうような場合も考えられるのです。
サブリース契約においては、一定期間中の家賃収入がオーナーに保証されており、契約書にもその旨が記載されています。また、定められた期間中は中途解約が出来ない旨も契約書に定められているのが通常です。
しかし、これらの家賃保証特約や中途解約禁止特約にもかかわらず、契約期間中に賃料減額を要求してきたり、中途解約を申し入れてきたりする管理会社も存在します。これらは契約書の内容に反しますが、サブリース契約は法律上通常の賃貸借契約と同じ性質のものとして借地借家法の適用を受けるため、特約自体が借主に不利なものとして無効とされてしまい、管理会社の要求が通ってしまうリスクがあるのです。
ここまで見てきたように、良い管理会社を選ぶことが、不測のトラブルを回避しきちんと収益を得られるサブリースを実現するために、最も大切なことです。管理会社の実績や経営状態をしっかり確認するとともに、契約内容を詳細にチェックすることが、サブリース成功のカギなのです。