相続について
不動産における相続税の計算は、建物と土地を個別評価して額を決める、という話は聞いたことがあるかもしれません。マンションの場合は共用部など戸建とは違うところがありますが、評価に影響は出るのでしょうか。今回は、マンションの相続税について説明していきます。
平成29年度の税制改正で、翌年以降課税対象となる20階建て(60m)以上の新築タワーマンションにおいて、固定資産税が見直されます。改正前は、高層階も低層階も部屋の面積が同じであれば評価額は一律です。相続税の評価には固定資産税評価額が用いられるので影響が出ます。
高層階の部屋は高額であるにも関わらず税率が変わらないため、相続税対策にも有効とされてきました。それが、平成30年度から高層階がより高い税金を徴収されることになります。
マンションの相続税と戸建の相続税を算出する方法は同じです。固定資産税評価額で建物の評価をし、マンション全体の面積と敷地権の割合をかけたものに、さらに路線価をかけた額が土地の評価となります。なお、路線価とは宅地の1平方メートル当たりの評価額です。
実際に不動産取引されるときとは違い、路線価は時価の8割程度、固定資産税評価額は時価の7割程度に設定されています。ですので、マンションなど不動産で相続すると節税対策になると言われるのです。
マンションは建物と土地の評価額によって相続税が変わるため、都会と郊外のマンションでは金額に差が出るのが一般的でしょう。さらに、マンションの土地は所有者が一人ではなく、何人もいることになります。相続税は所有者ごとの持分割合によって計算されることになるので、階数が高く戸数が多いタワーマンションでは、数値割の比率が増えただけ評価額が下がるということです。なお、この差を解消すべく、税制改正が行われました。
相続税には基礎控除が適用されます。基礎控除とは一定の金額以上の財産のことで、基礎控除の額を超えなければ、相続税はかかりません。
計算式は、相続人の人数と600万円をかけた数字にさらに3000万円をかけるという方法がとられます。
また、遺言書で相続人を一人指定していたとしても法廷相続人の数で計算されるため、基礎控除額に影響は出ません。さらに相続人の数が多いほど基礎控除額が増えていきます。
基礎控除の他に配偶者控除もあり、これは基本的に1億6000万円までは相続税がかからないという制度です。
同じ土地に何人もの人が共有しているマンションは、固定資産税はもちろん相続税も抑えられます。しかし、税制改正でタワーマンションの高層階に住む人は税金が上がるので、注意が必要です。
相続した際は、控除制度を上手に使って節税対策を取ってみてください。