相続について
前回は賃貸住宅を経営するにあたって名個人から新たに設立した法人に名義を移し所得を分散させて所得税の節税につなげる手法について書きましたが今回は具体的な会社設立について、また、相続税対策、経費についてのことなどを書きたいと思います。
法人を設立するというと具体的には会社を作るということになるのですが会社の形式は合同会社か株式会社のどちらがいいのでしょうか。
代表の名称が社長になるため株式会社を選ぶ方もいますが設立費用は
合同会社は6万円から
株式会社は20万円から
になるので合同会社をえらぶ方も多いです。
もし相続対策をお考えで①親が不動産管理をしておきたい②子供を株主にしたい
ということなら親を代表取締役、子供を株主という形をとれるので株式会社がよいと思います。
個人所有の不動産を相続すると土地や建物の評価基準に従い累進課税で課税されますが法人で建物を所有する場合だと相続税を抑えることができます。
不動産の所有は法人のため相続税は会社の株式によって算出されます。
会社の純資産によって株価は変動するため、妻や子に役員報酬を支払い利益を分配することで会社の資本を減らし株価を減らします。
後継者である子が副業可能なら使える手法になります。
また、副業を禁止されているとこの手法は使えません。そうなると会社に資本が増えて株価が上がります。もしオーナー自身が株主だと相続税の評価も上がってしまいます。
この場合法人の株主を後継者の子にし、株式そのものを相続財産の対象から外すことで相続税の課税を回避することができます。
法人を設立すると個人では経費扱いできなかった内容も経費にすることが可能になります。
◆社宅
法人が自宅の全部または一部を借り上げ、賃料を支払う。賃料は経費として計上できる。
◆出張旅行費
出張を目的に「旅費手当」を経費にすることができる。ただし、旅費規程を作成する必要がある。
◆接待交際費
取引先との食事など接待で支払った飲食費を経費にすることができる。
冠婚葬祭も交際費になる。ただし、法人の場合上限額があるので注意が必要。誰と行ったかをレシートの裏にメモしておくこと。
◆生命保険料
個人の場合だと生命保険料は所得額から引かれるが法人の場合だと上限なく経費として計上できる。保険商品の内容によっては全て経費として落とせないものもあるので注意する必要がある。
◆役員退職金
不相当な額でなければ役員に退職金を支払うことが可能で、損金として認められる。
賃貸経営については手残りを増やしたい反面所得が多すぎると社会保険料や税金など出費も増えがちなので一つの手法としてご参考にしていただけたらと思います。(終わり)