その他
この度のコロナウィルスの流行に伴って
「三密を避ける」「リモートワーク」
など直接人と人が顔を合わせづらい情勢になっています。
また、「急に転勤が決まった」など
遠距離のお部屋探しをしなくてはならない場合
何度も現地に赴かなくてはならず手間がかかる。
また、お部屋を借りるときに必須なのが
建物に関する重要事項説明になります。
この重要事項説明を離れた場所でも受けることができる
IT重説が賃貸借契約に限ってですが2017年度から始まっています。
ウィズコロナの時代にも合致する制度ですのでこちらを紹介いたします。
IT重説とは、テレビ会議などのITを活用して行う、賃貸借契約における重要事項説明になります。
従来は宅地建物取引士自らが対面で説明を行わなければならないことになっていましたが、2017年10月1日から運用を開始しました。
パソコンやテレビなどの端末を利用して、対面と同様に説明や質疑応答が行える双方向性のある環境であれば、自宅などにいながら、重要事項説明を受けられるようになりました。
IT重説を行えるのは、賃貸借契約に関する取引に限定されており、対面の場合と同様に、宅地建物取引士が賃借人に対し、重要事項説明書を事前に交付することが必要となります。
一番のメリットは、長距離を移動する必要がなくなることです。
従来は対面での説明が義務付けられていたので、どんなに遠くても、宅建士や顧客が現地まで赴く必要がありました。
それゆえ時間がかかってしまい、効率が悪かったのです。
一方でIT重説はネット環境さえあれば、お互いどこにいてもおこなうことができます。
移動にかかる時間や手間が省け、効率的に業務を進めることが可能になったわけです。
そしてこれは契約者にとってもメリットです。
たとえば高齢者や体が不自由な方の場合、来店が難しいことがあります。
対面の重説では、事情にかかわらず店舗まで実際に足を運ばなければならないため、契約者にとって負担になります。
これが解消されることになります。
もう一つのメリットとして
「利便性の向上による集客効果」も見込めます。
これまで賃貸契約において大きな障壁となっていたのが、面談の日程調整です。店舗に赴かなければならないとなれば、忙しい勤め人は仕事の都合がつかず、時間が取れないことも考えられます。
すると、日程調整がスムーズにいかず取引に時間がかかってしまいます。
従来の重説では、顧客としてもこうした煩わしさがあったわけです。
それがIT重説は、インターネット環境があれば時間・場所問わずおこなえます。
顧客の利便性を高めることに繋がり、結果として集客効果も期待できると思われます。
デメリットとしてまず挙げるとすればITツール導入の手間がかることです。
テレビ電話やパソコン、タブレット端末といったIT通信機器をIT重説には使います。
対面しながら会話できるアプリケーションも必要で、仮にこのようなITツールを所持していない場合、導入の手間はデメリットといえるかもしれません。
また、ITツールが必要なのはIT重説を受けるお客様も同じです。
お客様がITツールに使い慣れていない場合は、デメリットに転じてしまう可能性もあります。
ただ2019年現在では、こうしたIT通信機器は導入済みの企業がほとんどでしょうし、アプリケーションのインストールも簡単です。
スマートフォンの普及もしていますので、導入については大きなデメリットではないでしょう。
その他のデメリットとしては、通信環境が悪い時のコミュニケーション障害のリスクが挙げられます。というのもIT重説はインターネットに依存する方式なので、環境によっては通信が不安定になってしまう危険があるわけです。
日本ではおおむね全国各地に電波が通っているものの、山間部など一部地域にはいまだに電波が悪い場所もあります。もし会話が途切れ途切れになってしまうと、IT重説は円滑に進みません。しかし、最初に説明した社会実験でも大きな問題は起きていないので、過度に心配する必要はないでしょう。
昨今の事情によってリモートワークが導入されつつあります。
「ウィズコロナ」といった新しい生活様式にこのIT重説も生かすことができたらと思います。