賃貸について
進学や就職に伴って自宅を離れて一人暮らしを検討している未成年の方々もいらっしゃると思います。
この場合一人暮らしをする当事者のみで賃貸のお部屋を借りるのは可能でしょうか。
単独では無理な場合でもどのような場合に可能でしょうか。
賃貸に限った話ではありませんが、未成年者が契約を締結した後に親権者の同意がなかった場合は、その契約は取り消されます。
もし親権者の同意なく未成年者が単独で契約を行っても、法律上有効にはなりません。
まず、未成年者とは、現行の法律(民法第4条)では20歳未満の方を指します。民法改正により、成年が18歳に引き下げられる予定のため、2022年4月1日以降は18歳未満の方が未成年者となります。
未成年者が単独で賃貸借契約をすることはできません。理由は未成年者が契約行為をする場合、親権者の同意が必要と法律で定められているためです。
未成年者でも賃貸借契約が結べるのは以下の2通りです。
① 未成年者でも既婚者なら賃貸借契約を結べる
民法第753条より、未成年者でも結婚している場合は、法律上成人としてみなされます。
つまり、結婚をしている18歳以上の男性または16歳以上の女性であれば、親権者の同意なく賃貸借契約ができます。
② 親権者の同意があれば未成年でも一人暮らしができる
法律上、未成年者の住まいは、親権者が決めるよう義務づけられています。しかし、一人暮らしをするにあたって、年齢制限は設けられていません。
そのため、親権者の同意が得られれば、未成年でも一人暮らしも法律上は問題ないといえます。
ただし法律上、契約が結べるとはいえ、賃貸借契約には入居審査が必要です。
つまり、法律上問題はなくても、大家さんや不動産会社の入居審査に通らなければ、賃貸借契約は結べないということになります。
未成年者は親権者の同意があれば、法律上契約者となれます。しかし、社会的信用度の低い未成年者では入居審査に通りにくく、契約者となれる可能性は低いでしょう。
入居審査は入居希望者に対して、家賃を滞納せずに払い続ける能力があるのかを見極めるための審査です。物件の大家さんや不動産会社が審査を行い、収入や職業、雇用形態が審査の対象となります。
次に、未成年者が一人暮らしをする場合において、入居審査が通りやすくなるポイントを紹介していきます。
1. 親権者に契約者となってもらう
契約者は、必ずしも入居者と同一人物である必要はありません。そのため契約者は親権者、入居者は未成年者としても問題はないのです。
入居審査は未成年に限らず、賃貸契約を結ぶすべての人が対象のため、親権者が契約者となる場合も入居審査は行われます。安定した収入のある親権者であれば、未成年者よりも格段に入居審査に通りやすいでしょう。
2. 安定した収入があることを証明する
すでに社会人として安定した収入を得ている未成年者の場合、入居審査にも通りやすくなります。必要であれば収入の証明として、源泉徴収票や収入証明書を提出しましょう。
また雇用形態も、アルバイトやパートよりも、雇用期限のない正社員だと通りやすくなります。