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不動産を投資目的や、引越しの際に売り出したりするときには、税金という概念がやはり付き添うことになります。これといった知識を持たず、専門家のアドバイスも受けずに無計画に手放そうとすると痛い目に合うかもしれません。そのような不動産売却に役立つ知識の一つである、減価償却についてこれから説明していきます。
土地や建物を売却する際には事業所得、給与所得などの所得とは別に(分離課税で)計算される譲渡所得税があります。そのベースとなる譲渡所得には所得税と住民税が課税されます。譲渡所得とは不動産の売却によって出された所得から、不動産売却のためにかかる譲渡費用と、取得費を差し引いて計算された所得です。そのうちの取得費には概算法と呼ばれる譲渡収入の額の5%の金額と、実額法と呼ばれる土地の購入、建物の建築やリフォーム、手数料などにかかった合計金額から建物の減価償却費を差し引いた金額という二つの計算方法があり、計算の結果どちらか大きい金額の方が採用されます。
取得費での実額法の算定に使われる減価償却の計算には、定額法と定率法の2種類があり、定額法は毎年減価償却費が同じ額になるようにする計算方法です。特に届け出などがない限りはこの定額法が採用されるので、より一般的です。定額法による減価償却費は、建物の購入代金×0.9×経過年数×償却率で計算されます。企業会計で使われるような減価償却とは目的に多少の違いはありますが、その建物に時が経過したことでどれほどの価値が残っているかという考え方では同じです。また、土地は時の経過では価値が減らないと考えられるので減価償却には含まれません。
減価償却に使われる償却率というのは、具体的にその家やマンションの利用がどれほど耐えるかという耐用年数をベースに計算されます。この耐用年数が違ってくることで償却率も変わってきます。不動産売却の際の一般的な計算方法である、定額法による償却率の計算は1÷耐用年数となっています。また、不動産売却のような納税に関わる場合に採用される耐用年数は、法定で定められているものであり、見積もりではなく税法での規定として存在しています。
このような性質を持つ減価償却など売却に関する詳細な情報が欲しい時には、不動産売却専門店での査定を申請したり、税理士をはじめとする専門家のアドバイスがあるととても便利です。税理士の中には不動産投資家の専門も多く、税理士の条件の幅も広いです。そうした専門家の意見を取り入れれば、売却の際の大切な要素となる減価償却を含む取得費や、譲渡費用などのような計算が必要なことも徹底的にシミュレーションをしてくれたりします。
これまで述べたように減価償却費は、家やマンションを売った時の手取り額にまで影響してくる要素です。基本的な知識を持ったり、また専門家の意見なども取り入れ詳しくなっておくことで、いざ手放そうとするときにより実体的で有利な考え方が出来ます。