賃貸について
順調に賃貸住宅を経営していても避けて通れないのが大規模修繕ではないでしょうか。
建物の資産価値を保ち、耐久性を高める為に必要なもので放置していたことにより雨漏りが発生してしまうと屋根の修繕のみならず居住者の家財道具の被害の損害賠償責任を負うことになってからでは遅すぎます。
築十年を超えたらそろそろ意識して建物の外壁や屋根の状態を気にしはじめましょう。
1.建物の長寿命化
計画的な修繕により、事業用資産としての寿命を延ばせます。その結果、建て替えよりも利益が見込めるケースがあります。
2.安定した入居率
案内時の第一印象が良くなり、入居が決まりやすくなる上、安定して高い入居率を維持できます。
3.家賃水準の維持
住まいとしての性能・価値を維持できるため、家賃を下げなくても入居が決まりやすくなります。
4.安心・安全な建物の実現
手入れが行き届いた物件は、外壁タイルの落下や共用部(階段や廊下など)の劣化による転落事故などのリスクを軽減。安全な建物はオーナーにも入居者にも安心感をもたらします。
5.緊急工事の減少
突発的な不具合による緊急対応件数が少なくなり、それにかかっていた費用を削減することができます。
6.高い節税効果
大規模修繕にかかる費用は施工内容によっては減価償却できるため、設備投資を経費として計上でき、所得税や法人税を抑えられます。
主な工法としては4つ挙げられます。
ウレタン防水 耐用年数はおよそ8~10年。
液状の防水剤を塗る工法で携わる職人によって仕上がりが左右されます。塩ビと併用して凹凸をカバーすることもあります。
塩ビシート防水 耐用年数は10~15年。
一般的に多い工法で既製品を貼付するので仕上がりに安定感があります。凹凸のあるところでは施工できません。
アスファルト防水 耐用年数は15~25年。
アスファルトを浸透させたシートを張り重ねる工法で人や車が通るところにおすすめです。
FRP防水 耐用年数は10~12年。
繊維強化プラスチックシートを貼り、防水材を塗る工法。コストが高く、特殊な建物に使われることが多いです。
価格的には安い工法から挙げると
塩ビシート防水、ウレタン防水、アスファルト防水、FRP防水の順になります。
価格も工事も大規模になる大規模修繕。その目安の時期としては建物に次のような症状が出たらそろそろ考える時期かもしれません。
築10年がたち表面の色褪せ、ひび割れ、シーリング材の浮きや防水シートの剥がれなどの劣化症状が出てきたら早めのメンテナンスが必要です。
鳥が伸縮目地を餌と間違えてついばみ、防水シートに穴をあけたりする鳥害も多いので注意が必要です。