売却について
“住む予定のない実家を相続したら、売却するのが一番簡単な処分方法になります。
とはいえ、人生でそう何度も経験するものではないだけに、疑問も多いのが不動産の売却。ここでは登記や確定申告など、よくある疑問点についてまとめています。”
“空き家のまま実家を放置するのは大変危険です。使っていなくても持ち主には固定資産税が課されるので、将来に渡って大きな負担を背負うことになります。更に家を管理維持する責任も負わなければなりません。壁が崩れたり瓦が落ちたりして万が一人に怪我をさせた場合、損害賠償を請求される可能性もあります。
放置された空き家は傷むのが早くなるため、見た目が悪くなり近隣に住んでいる人に不安感を与えることになります。また空き巣や不法投棄の被害にも遭いやすくなるため、放置は避け、きちんと処分する必要があるのです。”
“相続した実家を売却するには、元々の持ち主の名義を、相続人の名義に変更する必要があります。これを相続登記と言います。相続登記を行っていないと、売買による所有権移転登記ができないのです。
相続不動産を売却する際は、通常法定相続分に従って相続登記を行い、相続人全員で協力して売却することになります。相続人が複数いる場合や遠方に住んでいる場合は、便宜上の代表者を決めて名義を移し、売却した後でお金を分配する方法もよく取られます。”
相続した不動産は、相続人全員の合意がなければ売却することができません。当然相続人が増えればそれだけ意思の統一は難しくなります。仮に一人でも「売りたくない」という人がいれば、そこでストップしてしまうのです。上手く説得することができればいいのですが、それができない場合は調停、裁判へと進んでしまう可能性もあります。そんなときは、弁護士などの専門家に間に入ってもらうのが良いでしょう。もめごとは法律への知識不足から起こることが多いですし、第三者が入ることで頭が冷え、冷静に話し合いを行えるようになります。
“不動産を売却して利益を得た場合、所得税と住民税が課税されることになります。2つを合わせて譲渡所得税といい、普段納税している税金とは分けて計算する必要があるのです。
譲渡所得税は、売却した翌年の確定申告で納税します。住民税は市町村から請求されることになるので、確定申告で納めるのは所得税の方です。もし確定申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税が発生する可能性があります。税金の計算は複雑なので、分からない場合は税理士などに相談するようにしましょう。”
“相続した実家を売却したくとも、相続人が多い場合などはなかなかスムーズにいかないことが多くあります。
困ったことがあったら必要に応じて弁護士や司法書士、税理士と言った専門家を頼るようにしましょう。分割協議や税金関係など、素人では難しいことも処理を任せることができます。”